「親亡き後の処方箋」歌手mimoインタビュー

Posted on 2月 12, 2015 by

 

障がいのある子供を持つ親は誰でも子供の将来を心配しているものです。
健常者と同じように自立ができなくても、本人のQOL(生活の品質)は保ったまま生きていって欲しいと願っています。
そんな未来への問いかけを曲という形に込めたのがmimoさんの新曲「どうかこの子を…」。
親亡き後の処方箋として存在する成年後見制度にインスパイアされた曲です。
曲をつくったきっかけなどmimoさんにインタビューしました。

mimo

周囲でも親亡き後のことは話をするのですが、新曲「どうかこの子を…」はまさにその回答の一つだと思いました。
曲をつくったきっかけは司法書士の方との出会いだったとmimoさんのブログで読みました。

はい、大学時代の音楽サークルの先輩からの紹介で知り合いました。
司法書士をされているその方には、ダウン症のお子さんがいらっしゃいます。
相続、成年後見人関係のお仕事をされていますが、
もっと障がいを持つお子さんの親御さんに分かりやすい相続関係の出版を考えいるとのことでした。
その前段階として、親の生の声や悩みを聞きたいとのことで、私に声がかかりました。

とここまで書いて、あとはほとんどブログに書いちゃったなぁ・・・と気がつきました。(笑)
http://ameblo.jp/mimoco102/entry-11981193290.html

はい、大丈夫です。今回の記事が初見の人もいらっしゃるかもしれません。
私の息子はまだ6歳で成年後見制度がピンときていません。mimoさんは最初どうでした?

成年後見人制度に暗いイメージしか持っていなかった私が、その司法書士の方に会って話をして、初めて明るい光を感じたんです。
親の意思をきちんと残すことの大切さ。
そうしたら自分が死んだ後でも、我が子の幸せを守れるかもしれないと、
初めて感じられた感動的な瞬間でした。
こんなステキな話は、
これからたくさんの親御さんの希望になるはずだと確信しました。

なるほど、感じたことを音楽として表現できることはmimoさんの強みですね。

ダウン症の子を授かったからこそ、
司法書士の立場からその子たちを守りたい、
親の心を守りたいと決意されている彼に共感し、感動しました。
他の親御さんたちもそうですけど、
常に希望的観測を持ち、我が子たちがより良い未来に生きられるように、
各々のお仕事や得意分野で実際に行動されている方々、本当に素晴らしいですよね。

自分の持っている専門性を子供の将来や同じような仲間たちのために活かしていこうというのは私も同じです。
専門性を持ち合わす人が集まって、化学反応が起きて、それがいろんな活動につながっていきますよね。
そういった意味で今回は司法書士と歌手の化学反応ですね。
とても興味深いですし、面白いです。

周囲の方からの反応はどうでしたか?

ありがたいことに、発表後すぐにたくさんの反響を頂きました。
やはり障がいのお子さんを持つ親御さん方の反響は大きかったです。
「私がいつも思っていたまんまの、その気持ちを代弁してくれてありがとう!」
という言葉が一番多かったです。
特に成人なさっているお子さんをお持ちの親御さんは、
常にこのことを考えていらっしゃっているようでした。

一番印象の強かったコメントはなんですか?

「私らの永遠の課題に「解」を出して下さいましたね。『引き継ぎの処方箋』。ありがとうございます」

この方、いつもは非常に厳しいのです。
私の発信にもキチンと、ダメな時はアドバイスしてくださる。
障がいをお持ちのお子さんがいらっしゃり、特別支援学校の教諭もされていました。
私が師と仰いでいると言っても過言ではない方です。
そんな方からのこのひと言は、私にとって大きな意味があるものでした。

また、ダウン症だけではなく自閉症やその他の障がいのあるお子様、健常のお子様をお持ちの親御さん、施設の運営者など、本当に幅広い方からのメッセージをいただきました。

それだけ素晴らしい、まさに画期的な曲だったんですね。
DS21.info読者のみなさまになにかメッセージをお願いします。

この曲は親亡き後の、我が子の幸せを祈る曲です。

我が子を託す人に向けた「引継書」という愛の処方箋は、医者が書くのではなく、今まで愛し育ててきた「親自身」が細やかに書いて残します。そうすることで親子で作った思い出、自分のぬくもりを残してあげられるような気がします。この歌は決して悲しい歌ではないです。自分亡き後でも絶対に我が子を守るんだ!と願う「親の強い意志」を、優しい気持ちで唄いました。

この曲を聴いていただき、ますますご自分のお子さんを”ギュっ”と抱きしめたくなるような気持ちになっていただけたら・・・親子という奇跡の絆を、さらに深めていただきたけたら幸せです・・・。

素敵なメッセージですね。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

MIMOオフィシャルサイト http://musicgift.info/

どうかこの子を…   作詞、作曲 by MIMO

お願いがあるのです この命尽きた後 
愛するこの子が どうか変わらず 幸せであるように

わがままは言いません ささやかでもいいから
この子が好きなあの場所へ 連れて行ってほしいのです

桜咲く公園に 夏はイルカ跳ぶ 江ノ島の海に
好きなだけ食べさせた 冬のいちご畑に

どうかこの子を 見守ってください…
もう二度と 抱きしめられない 私の代りに
幸せを 見守ってください… 
空の上からでも 守りたい
見えなくても そばにいると 伝えたい…

肌寒くなる季節 すぐに風邪を引くから
冬物の洋服は 少しだけ 早く着させてください

週末のバーゲンセール あの店で どうか揃えてほしい
毎年5枚ずつ あったかい あの肌着を…

どうかこの子を あたためてください…
おろしたての愛 やわらかく この子を包んで…
さびしさを あたためてください…
いつもぬくもり 教えたい
冷たいその手 あたためてると 伝えたい…

この手でずっと守りたい でも 叶わないその時は その時は…

どうかこの子を 見守ってください…
もう二度と 抱きしめられない 私の代りに 
幸せを 見守ってください… 
空の上からでも 守りたい…
見えなくても そばにいると 伝えたい…

伝えたい…伝えたい…

 




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