ダウン症のある人の脳の発達を知る重要な発見
Posted on 5月 28, 2013 by DS21.info
最も多い先天的な遺伝子の障害がダウン症候群です。
ダウン症は21番目の染色体が余分にコピーされることが原因。
通常、ダウン症は学習障害と特有の身体的疾患(心室中隔欠損など)を引き起こします。
アメリカ・ウィスコンシン大学の神経科学者アニータ・バタチャリア博士のチームは、大人のダウン症のある人は老化を防ぐ遺伝子と脳細胞の連結が減少していることを発見しました。
その後、二人のダウン症のある人から抽出した皮膚細胞から脳細胞を増やすことに成功。
体内のどんな細胞にも変化できる皮膚の幹細胞を再構成することができたのです。
これはダウン症のある人の初期の脳がどう成長していくのかを知るために重要な発見です。
バタチャリア博士は言います。
「神経細胞間の連結が減少することが、今回の重要な発見の一つでした。」
「それらは互いに情報交換せず、(他の細胞よりも活動が)静かです。今までダウン症のある人の脳のことがほとんどわかっていなかったのですが、これで説明できます。」
もう一つ、発見がありました。
脳細胞はシナプスと呼ばれる神経細胞の連接部を介して伝達します。
ダウン症のある人の脳細胞はシナプス間の活動が健常者にくらべ約60%だったのです。
バタチャリア博士は言います。
「これは(健常者との)違いを説明するのに十分な証拠です。」
21番目の余分な染色体が増えると、特に遊離基(フリーラジカル。老化を促進する要因)がダメージを受けることも彼らは発見しました。
博士は言います。
「ダウン症のある人の発達にとってシナプスの回復は早いほうがいいでしょう。」
博士のチームメンバーは言います。
「ダウン症のある人々がなぜ早く年をとるように見えるのかも、これで説明することができます。」
イギリス・ダウン症協会の最高責任者キャロル・ボイズは言います。
「世界的にも有名な研究チームの今回の発見は大変興味深いです。」
「ダウン症候群の引き起こすメカニズムがわかることで、将来的にダウン症のある人々への治療法が開発されるかもしれません。」
ニュースソース:Brain cells give insight into Down’s syndrome