世界でひとりのダウン症写真家

Posted on 6月 14, 2012 by

 

インターネットをいろいろと調べてみても、ダウン症のある人の写真家は一人しかいません。
それが今回、ご紹介する川田たいしさん(30歳)です。

写真コンテストで賞に選ばれたり、共同で写真展を開催するなど精力的に活動。
出版された写真集はハワイの空気感が伝わってくる内容でなんとも開放的。
とてものびのびとしてオリジナリティ溢れます。

そんな写真家を育てた母親に興味が沸き、インタビューをさせていただきました。

10歳からハワイの夕陽の写真を撮り始めたそうですが、きっかけはなんですか?

10歳から急に写真を撮り出したのではなく、
小さい時からカメラにとても興味を持っていました。

現像に行くと、光が入っていて全部写真がダメになっていたり。。。
私が撮った覚えのない写真が現像されていたり。
とてもミステリアスでした(笑)
これらは、すべて たいしのイタズラだったのです。

なるほど、たいしさんがカメラに興味を持っていたのですね。

ハワイに住むようになり、日本のモノが恋しくなり
漫画やビデオ、お菓子など
日本から送ってもらっていました。

ある時、またいつものように 「何か送ってもらいたい物ある?」
と子供たちに聞くと たいしは 「カメラ」
「???」
「セーラームーンのカメラ」
と言うのでどうしてか?聞くと 毎日夕陽の色が違うから撮りたい。
とのことだったようです。

夕陽を撮りたいという純粋な気持ちが素敵ですね。

カメラが届くと嬉しそうに、今日は赤いよ。 今日の夕日は何で黒いの?
と言いながら 毎日毎日撮り続けました。

夕陽を撮影しながら、夕陽の違いも観察していたのですね。

帰国して何年か経って 日本で写真展をした時
小学校の時の先生が見にきて下さいました。

その先生からお聞きし、初めて知ったのですが
小学校1年生の時から 学校のカメラで
クラスの子供たちの写真を撮っていたそうです。

やはり小さい時からカメラには興味があったのでしょうね。

子供の興味は好きから得意に変化していくのですね。我が子も見逃さないようにしたいです。

10歳でハワイの小学校(エレメンタリー・スクール)へ編入しますが、どうでしたか?言葉の壁など。

言葉の壁は確かにあると思います。。

たいしは、まったく 英語なんて知りませんし
話したことも無い訳です。

心配で先生に聞いてみました。
すると答えは「大丈夫。たいしは全て理解できている」
「地球語を話しているから通じている」
「え??」

すごいですね!

日本でのたいしは、恥ずかしがり屋で
固まりお地蔵さんみたい。と言われていたのですが…

ハワイでは指示にスムーズに従う事もでき、
みんなと一緒に行動できているとのことでした。

たいしの野生のカンが凄いのか
ハワイのパワーがそうさせたのでしょうか?

翌年、インターメディエイト・スクールに編入していますね。

小学校ではなくても良いと判断されましたので変わりました。

今年まで約20年、たいしさんは写真を撮ってきました。長く続ける秘訣はなんでしょうか?

秘訣と言うか…
写真展を毎年していたので、懐かしい人に会えて
すごく嬉しいのと、みんなが来てくれて、褒めてもらえるのが励みになり
「また来年写真展やろうね。」
がやめないで現在まで続いているだけです。

褒められて続くというモチベーションは大事ですよね!

今はカメラは何を使っていますか?

キヤノンの一眼レフのデジタルです。

今後のご活躍にも期待しています!ありがとうございました!

 




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