ダウン症のある子供に有効な記憶力トレーニング

Posted on 6月 8, 2013 by

 

ダウン症のある子供達の授業にパソコンの記憶力ゲームを取り入れることにより短期的記憶力と注意力の増大がみられました。

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イギリスのポーツマス大学とDown Syndrome Education Internationalが共同で行っている研究の中間報告では、記憶力ゲームを行ったところ対象のダウン症の子供達の半数が視覚の短期的記憶力が増大し、トレーニングを終えた後も四ヶ月間、その状態を維持しました。

ダウン症のある人は短期的記憶力には限界があることが知られており、短期的な記憶を長時間記憶していることができません。
それは単語、文法、読者といった学習に影響を及ぼしています。

過去の研究でダウン症のある人の記憶力はトレーニングすることで増大しますが、長期間は維持できないとされていました。

今回の研究は対象者の数が少ないですが、新たな成果を出しました。

主任研究者のステファニー・ベネット博士は言います。
「この結果に私たちは興奮しています。」
「学校で記憶力のトレーニングができるか心配していましたが、今回の結果で自信を持ちました。これで研究者は前進でき、さらに探究することができます。」

今回の研究は7歳から12歳のダウン症の子供達、19の異なる学校で10から12週間かけて行われました。

使われたプログラムは「Cogmed JM」。
幼稚園の子供向けに開発されたもので、7つの機能があります。
対象者は一日15分から30分、一週間に三回のトレーニングを行いました。

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ニュースソース:Memory training at school helps children with Down syndrome

補足:
この「Cogmed JM」を調べてみました。
スマホやタブレットのアプリではなく、
パソコンを通じて提供されるASPサービスでした。

また、世界にこのプログラムを展開しており、
日本では「コグメド・ジャパン株式会社」が提供していました。
http://www.cogmed-japan.com/

特徴としては「ワーキングメモリ」を鍛えるのに特化したプログラムで、
対象者はADHDなどを想定したつくりで、グラフなどで効果測定も行えるようです。

トレーニングの流れは、イニシャルインタビューから入り、トレーニングによって効果が見込めるかどうかが見積られるそうで、単純にプログラムを販売する、という形式ではなさそうです。

トレーニング費用は69,800円、
「コーチング、ドキュメント・資料、トレーニング管理システムとプログラムの使用など、すべてを含」むそうですが、
この金額はどうなんでしょう、個人向けプログラムというよりは学校や療育センター向けでしょうかね。
何人かでまとめて受講するといいのかもしれません。

ワーキングメモリとは?(wikipediaより)
認知心理学において、情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。作業記憶、作動記憶とも呼ばれる。

 




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