30歳で開花したダウン症のアーティスト

Posted on 8月 6, 2012 by

 

1964年12月、ピーター・ウィリアム・ロウはダウン症として生まれました。
筋緊張と運動困難のためにピーターは言葉を喋ることが今も困難です。

30年間、彼は非常に制限されたコミュニケーションをとり、
家族や彼を知る人は、彼にはごくわずかな理解力しかないと思っていました。

しかし、1994年、Facilitated Communication(FC)を使うと、ピーターの人生は劇的に変わりました。

FCはキーボードの文字を指さすことで情報伝達することができるツール。
このFCを通してピーターの個人的な気持ちや創造的表現など全く新しい世界を情報伝達できるようになりました。

以前は彼の日常的な考えや感情を表すことができませんでしたが、
FCを使いピーターの才能は開花しました。

多くの洞察に満ちた著作物を書いています。
彼の著作物は詩、短編、ファンタジー、童話、物語など多くのジャンルに渡ります。

2009年にはサンシャイン・コースト大学で創作(Creative Writing)の勉強をはじめました。
現在、ゴーストライターの助けを借りて彼自身の自叙伝に取り組んでいます。

ピーターは「The Brotherhood of the Wordless(言葉の無い兄弟)」と呼ばれるユニークな創作グループのメンバーでもあります。

「The Brotherhood of the Wordless(言葉の無い兄弟).」のメンバーは言葉を使わず、FCを利用して人生と障害をテーマにした素晴らしい詩と散文を書きます。

ピーターの趣味の一つに音楽があり、
音楽にとても愛情を持っています。

2003年、ピーターは国際的に有名な音楽家、作曲家であり楽器メーカーを運営するリンゼイ・ポロック(Lindsay Pollock)と地元の歌手テリー・デレーニーとQWERTYと呼ばれる音楽トリオを結成。

この革新的なトリオは即興で音楽を奏で、地元のフェスティバルでも好評でした。

ピーターにはアートの才能もあります。

彼が過去に施設で受けた物理的および性的虐待の精神的トラウマを克服するための治療の一環としてアート療法が導入されました。

しかし、その才能は治療を超え、彼を優れたアーティストにしました。

いくつかの展示会も開催され、その作品は世界中のコレクターからも愛されています。

2011年、ピーターは(クレヨンと彫刻を含む)ニューメディアを支援する新しい教師とともに、新たなアートの取り組みを始めました。

ニュースソース:ピーター・ロウ公式サイト

■参考URL
Facebook公式ページ・ピーター・ロウ
Facilitated Communicationとは?

 




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