ダウン症のある人の性について

Posted on 11月 15, 2010 by

 

「ダウン症のある人の性について(Issues of sexuality in Down syndrome)」1995年の論文を見つけました。

なお、以下の項目は省略しています。ご了承ください。
・Sexual Abuse(性的虐待)
・Reproductive Issues(生殖の問題)
・Sexually Transmitted Disease(性交感染症)
・Pregnancy(妊娠)
・Parenting(育児)

・イントロダクション

人間はそれぞれの成長段階において、性の問題に直面します。
幼児や未就学児童にとって、両親やその他の家族とのスキンシップや心のふれあいは重要です。
学校に通う子供がマスターベーションをはじめると、個人のプライバシーについて気にしだします。
若年層では個人の安全と自尊心が重要な問題になります。
しかし、これら健常者に対する研究では、ダウン症のある人の精神・性的発達についてほとんど書かれてきませんでした。

・性の発達と振る舞い

障害に関係なく、すべての人間には性に関係があります。
ダウン症や他の精神的な障害者が性的な振る舞いをすると、親が不安に思うのと同じくらい社会的差別にあうかもしれません。
歴史的には障害者の性は社会的に否定されてきました。
健全に性的アイデンティティを発達させるのは、身体的、精神的障害がなくても難しい課題です。
ダウン症のある人の性的な行動は、一部の親や福祉スタッフを警戒させます。
それは望まない妊娠や性的虐待、性交感染症などでダウン症のある人が傷つくことを恐れるからです。

マスターベーションは、健康的な個人行動の一部です。
それで自己満足を得られることでしょうが、セックスへの関心を高めるわけではありません。
重度の精神障害者では自虐的な行為としてマスターベーションが行われるかもしれません。
ダウン症候者のマスターベーション経験は、男性40%、女性52%であると報告されています。
しかし、健常者の統計と比べるとその数字は高くありません。
健常者では15歳までに男性100%、女性25%が経験すると報告されています。

・デート

現在のところ、ダウン症のデートについての研究成果がありません。
デートをすることは青年期の社会性をはぐくみます。
デートに必要なことは、生きていく技術の一部として教えることができます。
ダウン症のある人がデートをしたいと思うのかと疑う方は、書籍「Growing Up with Down Syndrome(ダウン症候群の成長)」(注1)にある「女の子とセックス」、「結婚と子供」の章を読んでください。
この本は2人のダウン症青年によって書かれたもので、ダウン症のある人にも10代特有の悩みがあることが書かれています。

“私はもっとデートをして、社会経験をしたいと思いました。
男の子と一緒にいることは友人としてはいいのですが、女の子と一緒にいるほうが楽しいです。
デートを積み重ねた結果、自分がどういう未来にしたいのか、将来、彼女と結婚するのに必要な行動や責任とはどういうことか、それがわかりました。
みんなが結婚する為に決断したように、私も決断をしたのです。決断すると現実は早く動きますね。”

・結婚

ダウン症のある人の結婚は記録にはほとんど残っていません。
エジャートン(1983年)による「精神障害者の結婚研究」、コラーたち(1988年)は軽い精神障害者だけが結婚できたと記述しています。
最も問題があった結婚は、両方のパートナーに精神障害があったことでした。(コラーの研究,1988年)
また、35人の女性を含むダウン症のある人38人の結婚した人たちの配偶者はダウン症ではありませんでした。(エドワードの研究,1988年)
このケースでは、これらのカップルは他の家族や擁護団体にサポートや監督された環境下で生活していました。

ソース:Issues of sexuality in Down syndrome

(注1)

 




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