ダウン症啓発・啓蒙動画のトレンド(2007年から2015年)

Posted on 12月 14, 2015 by

 

20年前に比べ、インターネットを通じてダウン症のある人を目にすることが増えました。
総務省発表の平成26年版情報通信白書によると日本に住む10から60歳代の人は1日に1時間以上はインターネットを利用しています。

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さて、今回は「ダウン症啓発・啓蒙動画」ということで世界最大の動画共有サービスYouTubeの統計情報から、そのトレンドを紐解きます。
YouTubeは全インターネット人口の約3分の1を占める10億人以上のユーザーに利用されており、1日あたりの動画視聴時間は数億時間、視聴回数は数十億回にものぼり名実ともにNo.1です。

そんなダウン症に関する動画をまとめるとこんな感じです。

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2013年までは当事者(ダウン症のある人)が自分の夢を語ったり、(ダウン症のある人の能力に)限界を決めないでといった内容の動画でした。
2014年以降、は当事者(ダウン症のある人)から親への感謝・メッセージといった内容の動画が増えました。

その中でひときわ目立った動画がイタリアのCoorDown制作「Dear Future Mom(親愛なる未来のママへ)」。
SNSで爆発的に広まり、TVでも放映されみなさんも記憶に残っているかもしれません。
再生回数は660万を超え、その数は今も伸びています。

そのアプローチから影響を受けた作品も登場しました。

インドの「Dear Maa」

アメリカの「My Dear Dad」

2013年以降に変わった背景は何でしょうか。
検索キーワードの推移を調べました。

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妊婦から採血しその血液中の遺伝子を解析することにより、胎児の染色体や遺伝子を調べる検査「新型出生前診断」、そしてその略称「NIPT」。
いずれも2013年以降、社会的な関心の高まりとともにインターネット上の検索キーワードが上昇していることが分かります。

2013年までに社会の中にダウン症という障がいのある人がいることを他人事として理解したのでしょう。
しかし、NIPTの社会的関心の高まりとともに自分事としてダウン症のある子供を理解することが欠けていました。そしてそのイマジネーションに訴えかけたのが先の動画「Dear Future Mom」だったのだと思います。

参考)
総務省|平成26年版 情報通信白書|主なメディアの利用時間と行為者率
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc253210.html

統計情報 – YouTube
https://www.youtube.com/yt/press/ja/statistics.html

 




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