2014年 ダウン症関連ニュース振り返り

Posted on 12月 26, 2014 by

 

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2014年も様々なことがあった一年でした。
皆様にとってどんな一年だったでしょうか?

DS21.infoで取り上げた海外の話題を中心に今年を振り返ってみます。

1.インターネットを使った支援の広がり

ダウン症のある子供の親や当事者がインターネットを通じて世界へ訴えることができることを実感できた年でした。
オンライン署名サイトやクラウドファンディングを使ったダウン症関連の支援がFacebookなどのSNSを通じて広がりを見せました。

クラウドファンディングでGammyを救え! | DS21.info

日本でも報道され覚えている方も多くいらっしゃると思いますが、バンコクの病院で貧しいタイ人女性(21歳)がオーストラリア人の双子の子供を代理妊娠し、ダウン症のある子供を置き去りにされたとか、(オーストラリア人側は)そうではないとかといった件。

寄付を募ることを目的としたクラウドファウンディング「GoFundMe」を通じて、「Gammy」と名付けられた子供の養育費が世界中から241,620ドル集まりました。

ちなみにGammyはその後、今年の12月23日に1歳をタイ人の母と迎えました。
⇒情報ソースFirst birthday for baby Gammy – The West Australian

格闘家ガレットが闘えるよう署名を! | DS21.info

アメリカの格闘家ガレット・ホルブは社会を変えるための様々なキャンペーンへのオンライン署名収集を行うChange.orgを利用してフロリダ州のボクシングコミッションへの署名を集めました。
結果、123,340人の署名が集まり、11月8日にはガレットの興行が認められました。

ディズニー映画にダウン症の子供を! | DS21.info

アメリカ・サンフランシスコに住むディズニー映画の大ファンのママが、ウェブ署名サイトthepetitionsite.comを通じて82000以上の署名を集めました。

ファスナーでインクルージョン! | DS21.info

スペシャルニーズのある人とのインクルージョンを実現するための啓蒙やサポートのファスナー。
クリエイティブなプロジェクトを支援するためのクラウドファウンディング「Kickstarter」を通じて15,821ドルの資金を集めました。

2.米・ABLE法が可決。日本では障害を理由とする差別の解消実現への取り組み

障がい者の低賃金は日本に限らず世界中で課題のようです。

そんな課題を改善すべく、2014年12月3日、アメリカ合衆国議会の下院にてABLE(Achieving a Better Life Experienceの略)法が可決されました。

アメリカの医療保険制度は、基本的に個人が民間企業の保険に加入して、必要な場合に医療費を給付してもらう制度となっているため、低所得者や障害者には不利です。
そこで公的医療保険制度として1965年に創設されたのがメディケイド。

しかし、メディケイドでカバーされていない保険サービスもあり、低所得になる傾向にある障害者にとってはメディケイドがあれば安心かといえばそうではありません。

そこで考えだされたのがABLE法。
Achieving a Better Life Experience (ABLE) Act、
より良い人生の経験を達成する、法案です。

長期的に障害者を支える行政のサービスの資格を得るための法案です
この法律により何百万人もの障害者の賃金は上がり、最も重要なことは将来のために非課税の貯金が可能になることです。

ABLE法を成立させる動き | DS21.info
米・ABLE法、下院で可決 | DS21.info

日本では賃金にまでまだ踏み込んでいませんが、”全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する”「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が2013年6月26日に公布され、内閣府がパブリックコメントを受け付けるなど、2016年4月の施行に向けて進められています。

・誰もに優しい社会をいっしょに――「障害者の権利に関する条約」批准に寄せて ‐ 青木志帆 (1/3)
http://blogos.com/article/78969/

・障害を理由とする差別の解消の推進 – 内閣府
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

3.新型出生前診断

日本でも2013年4月からはじまった新型出生前診断。
2014年、確定者の97%が中絶した結果が発表されるなど、より現実的なものとなった一年でした。

・新出生前診断 染色体異常、確定者の97%が中絶 :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2703S_X20C14A6CC1000/

・「中絶について、今こそ真剣に議論されるべき」 胎児クリニック東京院長が語る、「新型出生前診断」の課題
http://blogos.com/article/90633/

そんななか3月13日、イタリアのダウン症サポート団体「CoorDown」がYoutubeで発表した映像が世界中の反響を呼びます。再生回数ももうすぐ約600万と一般の人も多く鑑賞しました。

未来のママへの答え | DS21.info

ダウン症のある人自身からのメッセージや忙しない社会における彼らの平和を愛する個性が注目された年だったと思います。

最後に

今年一年、ご愛読いただいただみなさま、誠にありがとうございました。
2015年もどうぞよろしくお願いいたします。

また、来年は今年よりももっと多くの人がダウン症のある人のことを理解し、
ダウン症のある人がもっと住みやすい社会になることを願っております。

それでは少し早いですが、よいお年を!

 




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