ダウン症のある人は自分を哀れんでいるのか?

Posted on 7月 7, 2013 by

 

社会のマジョリティである健常者を中心とした社会では、ダウン症のある人に対して「かわいそう」、「不幸」と思う人が多いかもしれません。

当事者であるダウン症のある人は自分のことをどのように考えているのでしょう。

アメリカ・ボストンの小児科医でダウン症を専門とするブライアン・スコットコー医師。
彼は医学者ですが、ダウン症の当事者、親や兄弟にアンケートを行い、
その結果を通じて「ダウン症のある人」の家族の内と外の感じ方の違いを明らかにしました。

親へのアンケート結果は以前の記事をご覧ください。
https://www.ds21.info/?p=3245

2011年、アメリカにある6つのNPO団体の協力を得てアンケートが行われました。
対象のダウン症のある人は284名、平均年齢23歳、84%は一人もしくは両親と暮らしています。

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この結果を鑑みるとダウン症のある人の多くは自分を「かわいそう」、「不幸」だとは思っていません。
しかし、なぜ世の中ではそのような見方になってしまうのでしょうか。

2013年5月22日,23日に放送されたNHK Eテレ ハートネットTV「シリーズ 出生前検査は何をもたらすのか」。
このなかでブライアン・スコットコー医師は言います。

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検査を受けた妊婦が妊娠を継続するかどうかは、その人が住んでいる社会の状況に大きく左右されます。ダウン症の人について、社会がどのような見方をしているのか。人々の意識が妊婦の自己決定に影響を与えるのです。
例えば、お店に行くと、そこにダウン症の人が働いていたり、子どもがダウン症の子と同じ教室で学んでいたり、近所にダウン症の子どもがいて、みんなで一緒に外で遊んでいたら、妊婦は『ダウン症の人は社会に受け入れられている』と認識するでしょう。
結局、ダウン症の人は遺伝的な問題ではなく、社会によって制約を受けているのです。そのような制約を取り除かない限り、最良の社会は訪れないでしょう。

参考ソース:
Let’s get real about Down syndrome
Parents, siblings, and people with Down syndrome report positive experiences
Self-perceptions from people with Down syndrome
NHK ハートネットTV 福マガ プラス “出生前検査”は何をもたらすのか―当事者からの提言―

 




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