ダウン症のある人に人生設計が必要な理由

Posted on 2月 17, 2011 by

 

ダウン症のある人が目標を高くもち(Aim High)生きるための情報を提供するDSAHRC(Down Syndrome Aim High Resource Center)。

彼らのミッションは、ダウン症のある人や家族へプロのサービスと支援を行い、
ダウン症について幅広い知識を提供するコミュニティを育成すること。
このNPO法人はアメリカ・ニューヨーク州に事務所を構えます。
DSAHRCのサイトに興味深い記事があったの紹介します。
# すべての質問ではなく、いくつかを抜粋しました。
# また、前提としてアメリカの場合です。ご了承ください。

人生設計とダウン症
Life Planning and Down Syndrome
By: Barton Stevens, ChLAP

20世紀、医学の急速な進歩とダウン症のある人への治療の充実により、ダウン症のある人の寿命が延びました。
現在では80%のダウン症のある人が55歳もしくはそれ以上生きることができます。
寿命が延びたことで、ダウン症のある人は生まれながらに人生設計を考える必要がでてきたのです。
障害に関係なく、法律では18才以上の人々は自己責任を管理する能力があると規定されています。つまり、(法的には)両親は保護者と考慮されないのです。
(障害者への)保護条項が適切でなければ、裁判官は重要な決定を(法律によって)下すことができます。
身体的、社会的、経済的、法的な問題は(ダウン症のある人との)兄弟関係、あるいは様々な福祉サービスと同じように考える必要があるのです。
よく考えられた人生設計は、あなたの愛すべきダウン症の子供の為が質の高い人生を楽しむ為にも必要不可欠なものです。

質問その1
なぜ、子供にとって人生の早い段階で人生設計を考えはじめることが重要なのでしょうか?

回答:
一般的に知的障害者は両親よりも長生きします。
家族が愛する我が子のため、早期に将来の世話などの希望を決めなければ、
(両親が亡くなった後)これらの決定は政府機関、国や法廷によってなされます。
子供の将来を考える過程では家族内で様々な葛藤があるかもしれませんが、
きっと子供にとって最高の結果を及ぼすことでしょう。
両親の希望を子供にたくすための唯一の手段は人生設計なのです。

質問その2
子供の将来の計画をたてるにあたって重要なことは何でしょうか?

回答:
重要なことは将来の「日常生活」をどうするかということです。
つまり我が子の日々の世話をどうするか。
そこには親の遺言の書き方、誰に財産権を委託するかといった信託、
後見人や受託者といった法的な問題があります。
また、子供が「日常生活」を送るために必要な金額を試算したり、
その予算を得るためにファンドなどに投資をしておくといった経済的な問題もあります。
そこには社会保障や医療保障、(親が軍に従事している場合)退役軍人年金といった政府の事業も考慮したほうがいいでしょう。

質問その3
いつから家族は人生設計の検討をはじめるのがいいでしょうか?

回答:
できるだけ早くはじめたほうがいいでしょう。
子供の年齢が4ヶ月でも40歳であっても人生設計は必要です。

質問その4
誰に相談するのがいいでしょう?(弁護士、ファイナンシャルアドバイザー、会計士など)

回答:
この分野すべてに精通したプロはいません。
財産権のプロへ相談し、将来必要となることを検討することは特に重要です。

質問その5
財産を残すためにベストな方法は何でしょうか?

回答:
家族や友人を受託者に指名してはいけません。
また、障害のある子供の名前で資産を残してはいけません。
養護信託(special needs trust)に任したほうがいいでしょう。

質問その6
養護信託とは何でしょうか?

回答:
養護信信託とは、家族や友人が障害者に財産を残すことができる法的文書のことです。
その法的文章に記されると、財産は人に属さず、
障害者にサービスが必要なときに受けられるよう財産が管理されます。
また、この文章により政府が財産を没収することをできなくしたり、
前もって福祉サービスを提供する医療保障の支払いに財産が使われてしまうことを防ぐことができます。

 




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